「終わりよければ全てよし」って・・・?
「終わりよければ全てよし」の慣用句(idiom)は、一般によく知られているが、由来は日本の故事や伝説ではない・・・では一体、どこから来ているのかとなると、これが案外と知られていない・・・実は、イギリスの劇作家・詩人のウィリアム-シェークスピア(William Shakespeare, 1564-1616)の戯曲、'All's Well that Ends Well'(1602-03)に由来している。
その戯曲の内容は次の通りである:
喜劇 ― 純情で可憐な女主人公ヘレナが、巡礼になって結婚を拒否する若い伯爵バートラムのあとを追って難題を成就して、ついに彼と結ばれるまでのいきさつを描く暗い喜劇(引用:『立体イギリス文学史』、朝日出版社)
舞台は、階級社会のフランス・・・身分の違うヘレナが若い貴族に恋をする・・・所詮は叶わぬ恋だが、最終的にゴールインするというサクセスストーリー・・・「終わりよければ全てよし」は、そこに至る過程よりも、結果が評価の分岐点となる・・・いくら最初や途中の経過が良くても、終わりが良くなければ評価されない・・・つまり結果が全てとなると、いささか乱暴なイディオムである・・・。
もしそうだったら、失敗を繰り返す子供に、「もちろん結果も大事だけど、自分の目標に向かって努力する過程も、同じように大事なんだよ。この失敗は、将来、必ず生きてくるからね・・・云々。」って説いたりするが、それはあまり意味がなくなってくるのではないか・・・本当に、過程より結果だけを重視した慣用句なんだろうか?・・・教育的・躾的意味合いがあったのかなかったのか・・・率直なところ、一度シェークスピアにその真意を尋ねてみたい・・・知らんけど。
ハウスタケカの独り言でした。
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