阪神「アレ」(優勝)・・・おめでとう!!
阪神タイガース、優勝おめでとう!!
岡田彰布監督は、決して優勝の二文字を使わず、「アレ」で通した・・・今年は絶対「アレ」をやりますよ・・・「アレ」を期待してください、というふうに・・・。
「・・・オリックス・バッファローズ監督時代、交流戦で選手が優勝を意識し過ぎないよう言い換えたのが始まり・・・「アレ」に因み、球団のスローガンも今季、「A.R.E.」を掲げた。明確な目標(Aim)を目指して、野球への敬いの気持ち(Respect)で取り組み、さらにパワーアップ(Empower)する、というのが岡田流とか・・・」(『京都新聞』2023 / 9 / 8)
ところで、「コ・ソ・ア・ド'縄張り理論'」(*備考)というものがある・・・この理論を使って、岡田監督の深層心理を探ってみたい・・・これは日本語の'話し手'(addresser)と'聞き手'(addressee)が支配する'縄張り'のことである(私は'縄張り'より'領域'の方を好む、以下'領域'とする):
コ系 ―「これ」などは、〈話し手の領域〉の中のものを指示
ソ系 ―「それ」などは、〈聞き手の領域〉の中のものを指示
ア系 ―「あれ」などは、〈話し手と聞き手双方の領域〉の外のものを指示
ド系 ― 領域を問わず、不定の指示物について用いられる
岡田監督は、優勝という言葉を使わずに「アレ」と表現・・・「アレ」とは、話し手(岡田監督自身)と聞き手(選手)双方の領域の外にあるものだが、具体的に優勝のことを指しているのは明らか・・・優勝を意識しないように、話し手(監督)・聞き手(選手)の領域の外にある「アレ」の表現を使った監督の心理作戦が功を奏した形・・・この場合、もちろん「コレ」や「ソレ」では意味不明である。
優勝を第三者的な存在に置いた岡田監督の「アレ」・・・結果、「言葉の選択」は的確で、選手の心をうまくつかんだ、と言えそうである・・・。知らんけど。
ハウスタケカの独り言でした。
*備考:安藤貞雄『英語の論理・日本語の論理』(大修館)