夏目漱石の「カイゼル髭(ひげ)」は、一体どこから・・・?
こんな疑問を抱く人はいないかもしれません・・・。
漱石の両端がピンとはね上がったあの立派な八の字型のカイゼル髭(荒正人『 漱石研究年表』、1974)は、一体何がきっかけだったのでしょうか?
彼は、1900年(明治33年)文部省の第1回給付留学生として、2年間のイギリス留学(1900年9月~1903年1月)を命じられた。
「日本と西欧との圧倒的な差に絶望した漱石は、ロンドンでは誰とも交流せず部屋で独り読書と勉強に明け暮れ、ビスケットを食べて生活していたという。いわば元祖引きこもりだ。」(板野博行『眠れないほどおもしろいやばい文豪』、2020)、とある。
留学中、ずうっとそうだったのだろうか、私は少し疑問に思っている・・・。
彼はロンドンで下宿を5回も変え、勉学に勤しむ一方、留学費不足やホームシックが原因で神経衰弱になったが、それでも結構忙しくしていたことが詳しく記されている(荒正人『漱石研究年表』)。
また、滞在期限を一年延ばしてフランスへの留学を本気で考えていたらしいが、文部省に認められなかったようである。
そんな中、彼は1901年2月2日、3回目の下宿の主人とヴィクトリア女王の葬儀を見送るために、ハイドパークの近くまで出かけている。
その時、エドワード7世(女王の長男)とドイツ皇帝カイゼル(ウィルヘルム2世)を目撃した。
漱石がカイゼル髭を生やすきっかけになったのは、その時に見た皇帝カイゼルを象徴するあの八の字型の髭が、'ぴしゃりと心のカメラに焼きつき'(『草枕』)、強い印象として残っていたからではないだろうか・・・?!
知らんけど・・・。
ハウスタケカの独り言でした。
写真出典
夏目漱石:『漱石研究年表』
ウィルヘルム2世:『ウィキペディア』